【12月26日 CGTN Japanese】中国では、「沙県の人がいるところに、必ず沙県小吃・軽食がある」とよく言われます。安くておいしい沙県小吃は多くの人にとって、「国民的なグルメ」と言えるでしょう。現在、全国で沙県小吃の店は8万8000軒以上あり、年間売上高は500億元を上回っているということです。

 沙県は中国福建省(Fujian)三明市(Sanming)に位置し、古くから「商売の街」として有名です。1990年代初め、沙県兪邦村のリーダーである兪広清(Yu Guangqing)さんは、省都の福州市(Fuzhou)で沙県小吃の店をオープンしました。

 店に来る客たちは、わずかなお金でおなかがいっぱいまで食べることができたため、沙県小吃は人気店になりました。

「頑張れば一日の収入は三、四百元に達する」。兪広清さんと多くの村民たちは、軽食がもたらす「うまみ」を味わいました。

 当初、沙県の人々は開店することを生計維持の手段にしていましたが、意外なことに、軽食は「大きな事業」へと発展していきました。沙県小吃産業発展センターが設立され、ここでは主に沙県小吃を研究し、経営者の養成や産業化の発展推進に力を入れています。

 全国で発展し続けていくにつれて、沙県小吃は南北の味をまとめ、今一番人気のある4種類の軽食を販売しています。北方人が好きな「蒸し餃子」、南方人が好きな「炖罐(蒸しスープ)」、最も沙県の特色がある「扁肉(ワンタン)」、味わい豊かな「拌麺(まぜそば)」です。

 2016年から、沙県小吃は標準化生産を開始し、現代の食品加工技術と伝統的な軽食作りの技術を巧みに統合しました。

 しかし、今年に入って、突如発生した感染症は沙県小吃に思いがけない「辛味」をもたらしました。これを背景に、沙県は直ちに経営者たちを安心させる新たなサポート措置を打ち出しました。これによって、沙県小吃の愛好者たちも新しい味を味わうことができました。

 新型コロナウイルスを予防・抑制するため、沙県小吃とデリバリーのプラットフォームはそれに相応する企画を立て、経営者を組織して、デリバリーに適した新しい製品を開発しました。

 沙県小吃観光文化祭りが12月8日に現地で開幕しました。地元で最も盛大な祭りとして、百種類近くの特色ある軽食が出され、多くの市民や観光客が舌鼓を打ちました。「沙県小吃」という名看板を用いて、地元の観光などの産業を発展させていくことで、沙県小吃の発展の将来性はさらに大きくなることでしょう。

 沙県小吃産業発展センターの張鑫(Zhang Xin)副主任は、「インターネットなどの技術を新たな小売業の運営の新たな業態と結びつけていくことが、今後の沙県小吃の発展方向になっていく」と語りました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News