【12月21日 AFP】デンマーク政府が20日、新型コロナウイルスの変異種対策で殺処分したミンク400万匹の死骸について、環境汚染を防ぐ目的で来年、掘り起こす計画を発表し、長引くミンクの殺処分問題は新たな展開を迎えた。

 デンマーク農業省の発表によると、当局はウイルスの感染リスクを完全に抑えられるとされる6か月を経過したミンクの死骸を来年5月に掘り起こし、焼却する。農業省は、「この方法であれば、ミンクが危険な生物系廃棄物になることはない。かつてない解決策だ」と主張している。

 デンマーク政府は先月、同国西部ホルステブロ(Holstebro)とカーラップ(Karup)近くの軍の敷地2か所に大量のミンクの死骸を埋めたが、ミンクの殺処分問題の対応をめぐって批判を受け、死骸を埋めた穴が、地下水の上面(地下水面)や近隣の湖の汚染源になる可能性を認めた。

 農業省は、死骸の掘り起こしを来年5月まで遅らせることについて、環境汚染のリスクは直ちに生じるわけではないとし、環境当局が状況を注意深くモニターしていると述べた。

 デンマークは世界最大のミンク毛皮輸出国。ミンクから新型ウイルスの変異種が検出され、今後利用可能となる新型コロナワクチンの効果に悪影響を及ぼす恐れがあるとして、政府は先月、国内で飼育されている全てのミンク1500万匹を殺処分する措置を発表していた。(c)AFP