字幕:コロナ禍でオンライン上の児童性的虐待が急増 親が加担も
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【12月20日 AFP】新型コロナウイルスの感染が広がり、学校閉鎖になった子どもたちが自宅やインターネット上で過ごす時間が増えている。それは、子どもを食い物にする大人たちも同様だ。その結果、オンラインでの児童性的虐待が世界中で急増する「最悪の事態」を招いていると活動家や警察が指摘している。
フィリピンのスラム街からオーストラリアの郊外に至るまで、国境を超えた犯罪は急激に広がっている。性犯罪者らは学校閉鎖やロックダウン(都市封鎖)に乗じて、直接、またはソーシャルメディアやゲームサイト、利用者の追跡が難しい「ダークウェブ」を介して子どもたちに接触している。
オーストラリア連邦警察が6月30日までの1年間に対応した児童性的虐待の通報件数は2万1000件を超え、前年に比べ、7000件以上の増加。また、児童を性的に搾取しているオンラインコンテンツで捜査対象となったものは、136%増を記録した。
オーストラリア連邦警察のポーラ・ハドソン(Paula Hudson)刑事局長によると、「ダークウェブの中には、トラフィック(通信回線を通じて送受信される情報)量に追いつかず、サイトのサーバーがダウンしている」ものもある。
ハドソン氏によれば、警察は、そうした著しいトラフィック増加の直接的な要因は、ロックダウンや学校閉鎖によって性犯罪者および子どもたちが自宅で過ごす時間が増えている一方で、親が仕事と子育ての両立に追われ、多くの場合、子どもに目が行き届いていないことだと考えている。
人権団体「インターナショナル・ジャスティス・ミッション(International Justice Mission)」マニラ事務所のジョン・タネイゴ(John Tanagho)氏は、「新型ウイルスの感染防止対策として講じられたロックダウンにより、オンラインで児童を性的に搾取する最悪の事態が起きている」と指摘する。
国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)によると、フィリピンでは、厳格なロックダウンが実施された3月から5月にかけて児童虐待のオンラインコンテンツに関する通報件数が260%増加した。
ハドソン氏によると、「新型コロナ関連に特化した児童搾取のフォーラム」も複数存在し、そうした場では「感染が広がった時期に生まれたチャンスについて(性犯罪者による)議論」が行われ、1000人ものメンバーがいるフォーラムもある。