【12月20日 AFP】フランス人医療従事者のロマン・ファンダンドルプ(Romain Vandendorpe)氏(34)は19日、仏北部ワットルロー(Wattrelos)で、小児がん患者を支援する募金活動のために大量の角氷の中に長時間じっとしている極限の挑戦に耐え、世界新記録を達成した。

 ファンダンドルプ氏は、透明なアクリル樹脂のケース内で首まで氷に埋もれた状態を2時間35分43秒維持し、従来の記録を40分更新した。同氏は「想像と集中」を頼りに自身を「白日夢」の境地に導く神経認知のテクニックで「人類の限界を克服する」訓練を行ったと話した。

 挑戦は約50人の前で実行された。ファンダンドルプ氏の成功への信念は「全身全霊を打ち込んで訓練すれば前進があり、状況を改善できる結果が得られる」というシンプルなもの。同氏は氷のように冷たいジェットバスに漬かる、500リットルの冷凍庫に入る、仏シャモニー(Chamonix)のスキー場で雪に埋もれるといった方法で自らを訓練した。

 ファンダンドルプ氏は今回の挑戦で集まった募金を「ワンダー・オーギュスティン協会(Association Wonder Augustine)」に寄付する。同協会は2年前に当時4歳の女児オーギュスティンちゃんが脳腫瘍で死去した後、ワットルローで設立された。ファンダンドルプ氏はオーギュスティンちゃんと死の数日前に面会していた。同氏はがん闘病を強いられている子どもたちに「いつでも望みを持とう」と明快なメッセージを送っている。(c)AFP