【12月19日 AFP】イエメンで、国際的な承認を得ている暫定政府と、南部分離独立派「南部暫定評議会(STC)」が18日、新内閣を組閣した。サウジアラビア当局が明らかにした。北部の大部分を支配下に置く反政府武装勢力フーシ派(Huthi)に対抗し、共同戦線を築くこととなる。

 新内閣は、フーシ派に対抗する連合軍を主導するサウジアラビアの援助を受けて発足。イランから支援を受けるフーシ派は2014年、イエメンの首都サヌアを掌握している。

 政府当局者がAFPに明かしたところによると、新政権にはアブドラボ・マンスール・ハディ(Abedrabbo Mansour Hadi)暫定大統領派の閣僚のほか、STC支持者やその他の勢力の関係者らが含まれている。

 いずれもフーシ派に反対の立場である一方、各勢力間には深い亀裂が生じている。この亀裂を埋めるため権力分割で合意することを目指し、サウジ政府が仲介して組閣協議が行われていた。

 サウジアラビア外務省は新内閣発足の発表を歓迎し、「政治的解決を実現し、イエメン危機に終止符を打つのに重要な一歩」だと主張。

 フーシ派はここ数か月、サウジ主導の軍事作戦への報復として、重要石油施設を標的とするなどサウジアラビアに対する攻撃を強めている。

 イエメンでは、5年に及ぶ内戦によって民間人を中心に数万人が死亡。国連(UN)は、同国が世界最悪の人道危機にあるとしている。(c)AFP