【12月19日 AFP】イングランドサッカー協会(FA)は18日、2部と4部に所属するクラブのファンが試合前の選手による膝つき抗議にブーイングした件について、当該チームに処分を科さないと発表した。

 プレミアリーグと2部から4部に当たるイングリッシュ・フットボールリーグ(EFL)に所属する各クラブの選手は6月以降、人種差別との闘いを支持するため、片膝をつく抗議活動を行っている。

 5日に行われたチャンピオンシップリーグ(2部)のミルウォール(Millwall)対ダービー・カウンティ(Derby County)戦とリーグ2(4部)のコルチェスター・ユナイテッド(Colchester United)対グリムズビー・タウン(Grimsby Town FC)戦では、一部のファンのブーイングが影を落とした。

 これには強い反発があったものの、FAはミルウォールとコルチェスターの両チームに正式な処分を下さないことを決めた。

 FAは「今後も監視を続け、観客に関わる同様の出来事が起きた場合は調査を行う」とし、「いかなる種類の差別に反対の立場を表明する全ての選手、クラブを支持し続ける。また、そうした価値観に積極的に反対することを選択した人の行動を常に非難する」と続けた。

 イングランド・プロサッカー選手協会(PFA)はこれに先立ち、選手側は膝つき抗議を続けることを「圧倒的に」支持していると述べ、この件に関して「リーダーシップが欠けている」とEFLを批判していた。

「この力強い連帯の証しは、選手たちが反人種差別に対して傾倒していることを表しており、政治的立場を支持するものでは一切ない」「長期に及ぶ構造的な問題を明るみに出す、平和的な団結だ」 (c)AFP