【12月20日 Xinhua News】中国重慶市(Chongqing)忠県の長江北岸に位置する石宝寨(せきほうさい)は「水上に浮かぶ宝石」とたたえられる。独特な景観は、周囲を巨大な堤防で守られた、山や川、樹木、楼閣を備えた水上の巨大な盆栽のような眺めとなっている。

 石宝寨は明代の万暦年間に建築が始まり、清代の康熙・乾隆年間の修築を経て完成した。高さ56メートル、12階建てで、柱に穴を開けて梁を通す「穿斗(せんとう)式」と呼ばれる構造の木造建築としては、中国に現存するものの中で最大規模で階数が最も多い。

 三峡ダム(Three Gorges Dam)の完成後、長江の水位上昇による損壊を防ぐため、中国国家文物局は資金を投じて石宝寨の保護工事を実施。斜面保護が施され堤防で囲まれた石宝寨は、元々山中に築かれたとりでだったが、現在では水上のとりでとなり独特の景観を生み出した。

 景観はここ数年、長江三峡の水上に浮かぶ盆栽のような眺めとして知られるようになり、毎年50万人を超す観光客が訪れている。(c)Xinhua News/AFPBB News