【12月21日 Xinhua News】中国チベット自治区(Tibet Autonomous Region)衛生健康委員会のケルサン・ユドン(格桑玉珍)主任はこのほど、徹底したスクリーニングと無償治療によって、同自治区の74の県(区)のうち70の県(区)で、寄生虫エキノコックスによって引き起こされる感染症、エキノコックス症の罹患(りかん)率が1%未満となったことを明らかにした。罹患率は2016年の1・66%から現在では全国平均レベルに近い0・26%まで低下したという。

 これは、同自治区でかつて発症率が高かった同感染症が基本的に抑制されたことを意味する。

 2016年、同自治区は史上最大規模のエキノコックス症スクリーニング検査に着手した。17の省・直轄市から支援のために派遣された約500人の専門家が、同自治区の約3千人のスタッフと協力して800余りのスクリーニングチームを組織し、自治区全体で流行状況について調査した。2歳以上を対象に全世帯のスクリーニング検査を行い、約2万6800症例の感染を確認した。実施率は99・21%に達した。

 徹底したスクリーニング検査に基づき、効果的に治療を実施するために、同自治区は農業・牧畜地域の基本医療保険、重大疾患保険および政府財政の3方面の資金を手配した。また、自治区内の指定病院を確立し、同感染症の病床を設置して、条件を満たす患者は「同自治区から出ることも予約も待つこともなく、支払いゼロ」で手術が受けられるようにした。

 2019年末までの同自治区における同感染症手術患者数は5057例で、治療率は77・62%だった。

 統計では、チベット自治区住民の平均寿命は過去10年間で2・4歳延び、70・6歳になった。(c)Xinhua News/AFPBB News