【12月18日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が新型コロナウイルス検査で陽性となったことを受け、欧州各国の首脳やフランス高官らが17日、相次いで自主隔離に入った。マクロン氏の新型ウイルス感染により、欧州各国の政治日程に支障が出ている。

 マクロン氏は現在、自国での新型ウイルス流行に対処しながら、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)協議など多数の国際的な問題を注視しており、このタイミングでの感染は厄介なものとなった。

 仏当局によると、マクロン氏は16日夜に「軽い症状」を自覚し始めた。マクロン氏は1週間の自主隔離を開始したが、仏当局は同氏が遠隔で公務を継続し、17日午後には経済発展に関する会議に出席したことを強調した。

 マクロン氏は先週、ベルギー・ブリュッセルで開かれたEU首脳会議に出席。14日にはパリで経済協力開発機構(OECD)主催の会議に出席していた。

 パリの会議には欧州理事会(EU Council)のシャルル・ミシェル(Charles Michel)議長(EU大統領)、スペインのペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相も出席しており、両者とも自主隔離に入っている。さらに、16日にマクロン氏と昼食を共にしたポルトガルのアントニオ・コスタ(Antonio Costa)首相も自主隔離に入り、直近の予定を全て中止した。

 匿名で取材に応じた仏政府関係者は、マクロン氏が先週のEU首脳会議で新型ウイルスに感染した可能性があると指摘した。

 EU首脳会議に出席したルクセンブルクのグザビエ・ベッテル(Xavier Bettel)首相は17日、検査の結果が出るまで自主隔離に入った。一方、ドイツ政府報道官は、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相が同会議の数日後に検査を受け、陰性だったことを明らかにしている。

 加えて、マクロン氏が16日夜、ジャン・カステックス(Jean Castex)仏首相を含む高官ら十数人と夕食を交えた会合を開いたことも分かった。仏首相府によると、カステックス氏に症状はなく、検査結果も陰性となったものの、マクロン氏との接触を考慮し自主隔離を行う予定だ。(c)AFP/Laurence BENHAMOU, Stuart WILLIAMS