【12月17日 AFP】中国の電子商取引(EC)大手アリババ(Alibaba、阿里巴巴)が、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の少数民族ウイグル人を特定する顔認証ソフトウエアを提供していたと、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が報じた。中国政府のウイグル人弾圧への中国企業の関与が相次いで発覚している。

 報道によるとアリババは、クラウドコンピューティング事業のウェブサイトで、同社の顔認証ソフトウエアを使って画像や動画の中からウイグル人ら少数民族の顔を検出する方法を顧客向けに紹介していた。

 問題のページは、監視関連の米調査会社IPVMが発見してニューヨーク・タイムズと共有したもので、現在はアリババによって削除されている。

 AFPはアリババに取材を試みたが、回答は得られなかった。ニューヨーク・タイムズによると、アリババはこの機能について、試験環境で使用されただけだと説明している。

 IPVMは先週、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、Huawei)がウイグル人の顔を認識すると警察に通知が届く顔認証ソフトウエアの試験に関与していると報告したばかり。ファーウェイはこの指摘を否定している。

 中国政府は近年、新疆ウイグル自治区の監視に割く予算を急増させており、テロ防止の名目で顔認証、虹彩認証、DNA採取、人工知能(AI)を駆使した監視網を自治区全域に展開している。(c)AFP