【12月17日 AFP】エジプトのギザの大ピラミッド(Great Pyramid of Giza)内部で発見され、70年以上にわたって行方が分からなくなっていた木片が、英大学に収蔵されていた葉巻の缶の中から発見された。研究者らが16日、発表した。同ピラミッドの内部から回収された貴重な三つの遺物のうちの一つだという。

 約5000年前のものであることが判明したこのスギの木片は最初、1872年にギザの大ピラミッドの「女王の間(Queen's Chamber)」で発見された。建設に用いたとみられるボールと青銅製のフックが一緒に見つかっている。

 2001年に発見された記録には、木片は英スコットランドのアバディーン大学(University of Aberdeen)に寄贈されたとあった。だがその後、注目されないまま行方不明になっていた。

 昨年末、同大の学芸助手でエジプト出身のアベール・エラダニー(Abeer Eladany)さんが、アジアの収蔵品にまぎれていた昔のエジプト国旗の柄がついた葉巻の缶から偶然発見した。「私は考古学者ですし、エジプトでは発掘に携わりましたが、まさかここスコットランドで自分の国にとってこれほど重要なものを発見するとは想像もしていませんでした」

 今年行った放射性炭素年代測定の結果、木片は大ピラミッドが建設されるよりもさらにはるか前、紀元前3341年~3094年の間のものと判明。これにより、後世の探検家がピラミッドに持ち込んだものではなく、建設時に残されたものという説が有力になった。木片は当初は10センチ余りの大きさだったが、現在はいくつかの破片に分かれてしまっている。

 映像はアバディーン大学が12月に撮影、16日提供。(c)AFP