【12月17日 AFP】フランスで2015年に発生したイスラム過激派による風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)とユダヤ系スーパーの襲撃事件をめぐる裁判で、パリの裁判所は16日、実行犯を支援した罪に問われていた被告13人に対し、禁錮4年から終身刑の有罪判決を言い渡した。

 実行犯の一人の「右腕」だったとされるアリリザ・ポラット(Ali Riza Polat)被告はテロ共謀罪で有罪となり、禁錮30年を言い渡された。実行犯の一人のパートナーだったハヤト・ブメディエンヌ(Hayat Boumeddiene)被告も禁錮30年を言い渡された。同被告は事件後シリアに逃れており、欠席裁判となっていた。

 もう一人の主要人物であるモハメド・ベルシーヌ(Mohamed Belhoucine)被告には終身刑が言い渡された。同被告はシリアで死亡したとみられ、同じく欠席裁判となった。

 事件の共犯として起訴されたのは14被告で、うち3人は欠席裁判となった。モハメド被告のきょうだいで、同被告と同じく死亡したとみられるメフディ・ベルシーヌ(Mehdi Belhoucine)被告は、1月の別の裁判ですでに有罪判決を受けたとの理由から判決を受けなかった。

 シャルリー・エブド紙は最新号の表紙で、おなじみの挑発的なスタイルで判決に言及。神が警察車両で連行される様子を描いたイラストに、「神がしかるべき場所に入れられた」との見出しを付けた。

 同紙は今年9月2日の公判開始に合わせ、過去にイスラム教徒の怒りを買っていた預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画を再掲載。その3週間後、同紙の元本社前でパキスタン人の男が肉切り包丁で2人を刺す事件が起きた。

 10月16日には、生徒にムハンマドの風刺画を見せた中学教師のサミュエル・パティ(Samuel Paty)さんがロシア・チェチェン(Chechnya)共和国出身の若い難民の男に首を切断されて死亡。同月29日には、最近欧州入りした若いチュニジア人の男が仏ニース(Nice)の教会で人々を刃物で襲い、3人が死亡した。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)政権はこうした事件を受け、国内のイスラム過激派取り締まりを強化する措置を取り、イスラム圏の国々の一部の怒りを買った。

 映像前半は裁判所に到着したシャルリー・エブド紙の代理人弁護士や関係者らと、アリリザ・ポラット被告の代理人弁護士。後半は廷内スケッチと裁判所前の様子。16日撮影。(c)AFP/Valentin BONTEMPS, Anne-Sophie LASSERRE