【12月17日 AFP】中国医薬品大手の上海復星医薬集団(Shanghai Fosun Pharmaceutical Group)は16日、中国政府からの使用許可を条件に、独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)から新型コロナウイルスワクチンを少なくとも1億回分購入する合意を結んだと発表した。

 中国では同ウイルスのワクチン候補の開発が急速に進められており、製造工場も増設されている。その一方で現地企業は、世界最大の人口を抱える自国民へのワクチン供給のため、外国企業との提携も進めている。

 上海復星医薬集団は、国内向けにワクチンの「十分な供給」を確保するため、自社の子会社がビオンテックと合意を締結したと発表。まず5000万回分として、1億2500万ユーロ(約158億円)の支払いを行うことも明らかにした。

 中国では現在、5種のワクチン候補が開発の最終段階に到達しており、緊急使用許可が下りれば、少なくとも100万人がワクチン接種を受ける見通し。

 国内における同ウイルスの流行抑制におおむね成功している中国は、膨大な量の中国製ワクチンを諸外国に供給する合意を締結している。

 15日には、少数の感染者が確認された黒竜江(Heilongjiang)省のある自治体が、住民へのワクチン接種を開始すると発表。だが、どのワクチンが投与されるのかは不明。(c)AFP