【12月17日 Xinhua News】中国北京市にある清代の離宮「円明園」の澹泊寧静(たんぱくねいせい)遺跡でこのほど、考古学調査が実施され、主要建築「田字房」と皇室水田の遺構が見つかった。円明園管理処が15日明らかにした。

 調査は、同管理処が北京市文物研究所、北京大学(Peking University)考古文博学院と合同で実施した。遺跡は同園西北部に位置し「円明園四十景」の一つに数えられる。造営は清の雍正5(1727)年で、史料によると、主要建築は「田」字型の宮殿で「田字房」と呼ばれた。中国の歴代王朝は農業を重んじ、清朝の皇帝も「田」字型の宮殿を造営しただけでなく「藉田(せきでん)の礼」と呼ばれる皇帝自ら農作物を栽培する儀式を行っていた。

 同市文物研究所で円明園研究チームのリーダーを務める張中華(Zhang Zhonghua)副研究館員は、田字房の保存状況や配置形態、造営法が清朝の園林建築技術を研究する上で重要な役割を果たすと説明した。建物遺構は現在、外壁の一部が損傷している状態で、柱間33間のうち9間が露出している。建物の東側と西側、北側からは、あぜ道や稲田の遺構が発見された。

 張氏によると、今回発見された田字房と皇室水田の遺構は、3千年以上前の西周時代初期の都市遺跡、周原遺跡(陝西省岐山県)で当時の人々が土地を祭っていた「社」と文化的に同じ流れをくむという。(c)Xinhua News/AFPBB News