【12月16日 AFP】米ネット通販大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の創業者ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏の元妻であるマッケンジー・スコット(MacKenzie Scott)さんは15日、社会的弱者を支援する複数の団体に42億ドル(約4400億円)を寄付したと明らかにした。新型コロナウイルスの流行がこうした人々の生活を、建物の解体に使われる「鉄球」のように直撃しているためと説明している。

 スコットさんは昨年、著名投資家ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏とマイクロソフト(Microsoft)創業者ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が立ち上げた慈善団体「ギビング・プレッジ(Giving Pledge)」の呼び掛けに応え、保有する資産の大半を慈善事業に寄付すると誓っている。

 今年初めに実施した一連の寄付でスコットさんは、人種、ジェンダー、経済的平等など社会的大義を推進する複数の団体に約17億ドル(約1770億円)を寄付していた。

 スコットさんはブログサイト「ミディアム(Medium)」への投稿で、今年2回目の一連の寄付について、新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)は、すでに生活に困窮していた米国人の生活を建物解体用の鉄球のように直撃したと書いている。また、「女性、有色人種、貧困層の人々の経済的損失と健康状態は、同様に悪化している」としている。

 一方で、億万長者の資産は大幅に増加したとスコットさんは記している。

 そのような億万長者の中には、スコットさんは言及しなかったものの、スコットさんの元夫ベゾス氏も含まれる。同氏の資産はコロナ禍で、約80%増加したと報じられている。

 スコットさんは昨年、ベゾス氏と離婚したことで億万長者となった。

 米経済誌フォーブス(Forbes)の世界のリアルタイム長者番付によると、スコットさんは15日時点で20位にランクインしており、2回目の寄付を考慮しても純資産は560億ドル(約5兆8000億円)となっている。

 ベゾス氏は同番付の首位で、純資産は1850億ドル(約19兆円)に上る。(c)AFP