【12月16日 AFP】中国北西部・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の綿花収穫で国家ぐるみの強制労働が行われ、ウイグル人ら少数民族少なくとも57万人が動員されている。米シンクタンク「センター・フォー・グローバル・ポリシー(Center for Global Policy)」が14日、報告書で明らかにした。

 自社のサプライチェーンの中でウイグルの強制労働を用いていると批判されているナイキ(Nike)やギャップ(Gap)、アディダス(Adidas)などの世界的な衣料品ブランドに対する圧力は、今回の報告でさらに高まりそうだ。

 人権団体は、新疆には超法規的な強制収容所の広範なネットワークがあり、100万人以上が収容されていると指摘しているが、中国政府は強制収容所ではなく過激派対策の職業訓練施設だと主張している。

 同シンクタンクの報告はインターネット上の中国政府の文書を参照したもので、自治区内のウイグル人が多く住む3地域で綿花の収穫に強制動員されている人は、2018年時点で少なくとも57万人とされ、そこから数万人増えているだろうと指摘している。

 新彊産の綿は、世界の生産量の20%超、米国で使用されている繊維の約20%を占めていることから、世界の綿のサプライチェーンに「劇的な影響が生じる」ことが懸念されている。

 この報告を受けて、英BBCが世界の衣料品大手30社に、中国製品の調達を続けるかどうか尋ねたところ、中国で製造される自社製品に新彊産の綿花の使用を禁じる厳格な方針があるのは、回答が得られた中の4社にとどまった。

 中国政府は、すべての収容者が問題の施設を「卒業」したと主張しているが、報告書によると、その多くは強制収容所とつながっていることの多い工場に移され、非熟練労働に従事しているとみられる。

 労働者は警察に厳しく監視され、収容所から工場へ直接移され、「軍隊式マネジメント」の下で思想教育を施されるという。

 報告書は、農村部の所得を増やせば政府が義務付けた貧困削減目標を達成できることが、強制労働を実施する強力な動機になっていると指摘している。

 中国当局は15日、報告書について問われると、「新疆のすべての民族の労働者が、自発的な職業選択に基づいて企業と労働契約を結んでいる」と答えた。

 中国外務省の汪文斌(Wang Wenbin)報道官は報告書を作成したエイドリアン・ゼンツ(Adrian Zenz)氏について、「米情報機関の操作の下で設立され、中国に関するうわさを捏造(ねつぞう)し、中国を中傷している反中的な研究組織の中心人物だ」と激しく批判した。(c)AFP