【12月15日 Xinhua News】中国南部地域の水を北部地域に送る「南水北調」プロジェクトの東部・中央ルート第1期が12日、全面通水から6周年を迎えた。累計送水量は394億立方メートルで、東部ルートは山東省(Shandong)などに46億立方メートルを送水、中央ルートは河南省(Henan)や河北省(Hebei)、天津市(Tianjin)、北京市に348億立方メートル送水した。

 特に、中央ルート第1期では今年5月と6月に、設計最大流量に当たる毎秒420立方メートルでの送水が行われ、大流量の送水能力を検証した。2019~20年に河南省や河北省、天津市、北京市に供給した水の量は86億2千万立方メートルと、全体計画で示された年平均85億4千万立方メートルを上回り、設定された運用目標を通水から6年で達成した。

 東部・中央ルートはこの6年間、安全に運用されており、すでに沿線住民の生産活動や生活と密接に結び付いている。沿線の複数の都市で「南水」(南部の水)が主要水源となっており、受水地域の利用者は1億2千万人余りに上る。うち東部ルートから受水する地域の人口は約5800万人、中央ルートは約6900万人となっている。

 東部・中央ルート第1期は全面通水後、52億立方メートルを上回る生態補水を行い、沿線の河川・湖沼の生態系を効果的に回復させ、社会・経済の良質な発展につなげている。東部ルートによる生態補水は2億8千万立方メートルに達し、山東省の南四湖や東平湖など多くの河川・湖沼で明らかな生態系回復がみられたほか、「泉城」(泉の都市)と呼ばれる済南市(Jinan)の泉を絶えることなく湧出させている。中央ルートは受水地域を流れる47本の河川に49億6千万立方メートルの水を供給し、山西省(Shanxi)から河北省へと流れる滹沱河や北京市の南拒馬河などが南部の水を得て生気を取り戻した。また、華北地域の地下水位低下に歯止めがかかり、一部地域では水位が上昇に転じている。(c)Xinhua News/AFPBB News