【12月19日 Xinhua News】中国山西省(Shanxi)長治市(Changzhi)上党区の長春村にある玉皇廟(中国道教の最高神、玉皇大帝を祭る廟)でこのほど、2年にわたる修繕工事が完了した。今回の工事では、これまで存在が知られていなかった「地宮(地下室)」が前殿内で見つかった。

 同廟は全国重点文物保護単位(国宝・重要文化財に相当)に指定されており、前殿は北宋時代の建築となる。長年補修が行われなかったため、雨漏りや柱の傾斜、架構の歪みなどが発生し、山西省文物局が2018年末以降、400万元(1元=約16円)余りを拠出し、研究目的を兼ねた保護修繕を実施していた。

 上党区文物博物館の王利平(Wang Liping)館長によると、地宮は前殿の床れんがの敷設時に偶然見つかった。天井はアーチ型で、内部のれんがには銘文が刻まれているものもあった。

 山西省古建築・彩塑壁画保護研究院の賀大竜(He Dalong)研究館員は「玉皇廟は長治地区に多くあるが、大殿内で地宮が見つるケースは極めて少ない」と指摘。今後は西安交通大学(陝西省)と協力し、地宮と銘文れんがを手がかりに、山西省南東地域の玉皇信仰と祭祀(さいし)の研究を進めていきたいと述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News