【12月14日 AFP】オーストリアの憲法裁判所は、自殺ほう助を禁じる現行法は基本的人権を侵害しているとの判断を示し、2021年末までに合法化するよう政府に命じた。末期患者2人と医師1人を含む複数の個人が、自殺ほう助の合法化を求めて司法の判断を仰いでいた。

 オーストリアはカトリック教国で、現行法は自殺ほう助を最大5年の禁錮刑の対象と定めている。

 クリストフ・グラーベンワルター(Christoph Grabenwarter)裁判長は記者団に、「意識的に自らの命を絶つという個人の決断を、法律制定に携わる者は尊重しなければならない」と説明した上で、自殺の選択は「外部の影響を受けず、自由に」行われるべきだと強調した。

 中道右派の国民党(OeVP)と緑の党(Greens)による連立政権は、自殺ほう助を合法化すれば「悪用される恐れ」があるとして現行法の維持を訴えていた。(c)AFP