【12月14日 AFP】(更新)サウジアラビア西部のジッダ(Jeddah)港で14日、シンガポール船籍の石油タンカーが爆発に見舞われた。タンカーの所有企業が発表した。サウジ政府は、爆発物を搭載したボートによる「テロ」攻撃だったとしている。

 シンガポールの海運会社ハフニア(Hafnia)によると、同社が所有する「BW Rhine」号で午前0時(日本時間同6時)すぎ、「外的要因により」爆発と火災が発生。乗組員が沿岸消防隊とタグボートの支援を受けて鎮火し、乗組員22人全員にけがはなかったが、爆発で船体が損傷して油が流出した可能性があるという。

 国営サウジ通信(SPA)は、エネルギー省報道官の話として、タンカーは「爆発物を搭載したボートにより攻撃された」と報道。同報道官は「テロ」攻撃だとの見解を示したが、攻撃の主体には触れなかった。

 ジッダは紅海(Red Sea)に面したサウジアラビアの主要港湾都市で、石油大手サウジアラムコ(Saudi Aramco)の積み出し港となっている。

 サウジアラビアでは先月にも南部シュケイク(Shuqaiq)港で爆発があり、ギリシャ企業が運航する石油タンカーが損傷した。サウジ主導の連合軍は、イエメンの反政府武装勢力フーシ派(Huthi)による攻撃だと主張している。

 今回のタンカー爆発について、サウジアラビア当局の確認は取れていない。また、攻撃を行ったとの犯行声明も出ていない。

 ハフニアに先立ち、英国海軍商船隊司令部(UKMTO)は14日、ジッダ港で13日にタンカー1隻が爆発したと発表。英海事リスクコンサルタントのドライアド・グローバル(Dryad Global)も、「ジッダ港にあるサウジアラムコの係留施設で作業中の船舶で」爆発が発生したと発表していた。

 石油輸送を追跡する調査会社タンカートラッカーズ(Tanker Trackers)は、UKMTOが提供した座標に基づき、爆発が起きたタンカーは燃料補給船の「Al Amal Al Saudi」号だとしていた。(c)AFP