【12月14日 AFP】アフリカ南東部モザンビークの北部に位置する港湾都市ペンバ(Pemba)では今、人口が急激に増えている。同市は広大な湾で有名だが、殺到しているのは海に泳ぎに来る観光客ではなく、イスラム過激派から逃れてきた避難民だ。その数は13万人を超えるとみられている。

 この数か月、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓う「アルシャバーブ(Shabaab)」の戦闘員に自宅を襲撃された大勢の人が、ほとんど身一つでペンバにたどり着いている。

 武装勢力による襲撃は、今年の10月で4年目に突入した。政府によると、これまでに2400人以上が殺害され、50万人が避難したとみられている。村々は焼き尽くされ、多くの男性が殺害され、若い女性たちは拉致された。

 ペンバがあるカボデルガド(Cabo Delgado)州では、イスラム過激派戦闘員らが天然ガス施設のある沿岸地域を掌握すると、内陸部に侵攻し始めた。

 最新の公式人口調査によれば、ペンバの人口は20万5000人超で、すでに13万人以上の避難民が殺到しているとみられる。

 ペンバのフローレチェ・シンバ(Florete Simba)市長はAFPに対し、地元当局は今、基本的な社会サービスを提供するのに苦闘していると語った。

 多くの避難民は必需品を大量購入し、薄利多売で現金を稼ごうとしている。

 インフラの問題に加え、窃盗などの犯罪も起きているとシンバ市長は語る。避難民の中にイスラム過激派戦闘員がいる恐れがあることから、新たにペンバに到着した人の身元調査もしなければならない。

 国際移住機関(IOM)によると、カボデルガド州では高齢者や体の不自由な人14万人以上が人道支援を受けられず身動きが取れない状況にあり、緊急の援助を必要としている。また同州には現在、40万人近くの避難民がいるという。(c)AFP/Emidio JOZINE and Alfredo ZUNIGA