【12月14日 AFP】ポーランドで13日、例外的な状況を除いて中絶をほぼ全面禁止とする憲法裁判所の10月の判断に抗議するデモが行われ、首都ワルシャワの街頭に数千人が繰り出した。

 デモ参加者の大部分は女性や若者で、デモ隊はヤロスワフ・カチンスキ(Jaroslaw Kaczynski)副首相の自宅に向かってワルシャワを横断した。カチンスキ氏は今回の憲法裁の判断に関与したと専門家から指摘されており、同氏宅は最近行われたデモで何度か標的となっていた。

 警察はデモ隊がカチンスキ氏の自宅に達するのを防ごうと、複数回にわたりデモ行進の妨害を試み、最終的に同氏宅のある通りを封鎖した。

 デモが夜通し続く中、政府が農業製品価格の下落を食い止める対策を何もしなかったと非難する農民グループは、通りにブタの死骸を投棄し、ジャガイモや卵をまき散らした。

 10月22日、憲法裁は胎児の先天的な異常を理由とした中絶を違憲とし、中絶をほぼ全面的に禁止とする判断を下した。この判断以来、活動家たちはこれまでに何度も抗議デモを主催してきた。

 この判断はまだ正式には発表されていないためまだ適用されないが、医師たちは法律違反となることを恐れて予定していた中絶手術を取り消している。

 この判断が法制化されれば、同国での中絶は、性的暴行または近親相姦(そうかん)、母体に命の危険が及ぶ場合に限って認められることとなる。(c)AFP