【12月15日 Xinhua News】中国新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)アルタイ地区ジェミナイ(吉木乃)県の草原石城風景区にある通天洞遺跡で、5千年前の青銅器が発見された。同自治区で出土した最も古い青銅器だという。

 考古学者らは6月から9月にかけ、同遺跡2号洞穴外の発掘グリッドで36平方メートルの発掘を実施した。発掘調査隊の隊長を務める新疆文物考古研究所の于建軍(Yu Jianjun)研究員は10日、取材に対し「第7文化層まで掘り進めたところ、3基のかまど跡が見つかり、その中から銅管の破片を発見した」と説明した。銅管は非常に小さく、装飾品類の一部と思われる。暫定的な分析で銅と錫(スズ)の合金、すなわち青銅であることも分かった。

 同グリッドでは、2016~17年の調査で第6~7文化層から炭化麦粒が見つかっており、放射性炭素年代測定が行われている。于氏は、青銅器と同層位で出土した炭化麦の年代測定データを踏まえれば、青銅器の年代は紀元前3千年よりも前になると指摘。「これまでに自治区で発見された最古の青銅器であり、国内全体で見ても古いものだといえる。ユーラシア草原における冶金(やきん)技術の早期伝播の研究に大きな意義を持つ」と語った。

 通天洞遺跡は三つの主洞窟と幾つかの小洞窟からなり、周囲を球状花こう岩に囲まれている。主洞窟の天井部分に穴が開いており、空が見えることから、地元では「通天洞」と呼ばれている。2014年に発見され、2016年に最初の発掘調査を実施。これまでに4万5千年前の旧石器時代から鉄器時代に至る文化層が見つかり、石器や銅器、鉄器などの遺物や標本約2600点、動物化石1万点近くが出土した。同自治区で初めて見つかった旧石器時代の洞穴遺跡であり、2017年度の中国十大考古新発見にも選出されている。(c)Xinhua News/AFPBB News