【12月15日 Xinhua News】中国上海市長寧区の江蘇路街道弁事処(都市政府の末端出先機関)はこのほど、管轄区内の一人暮らし高齢者のためにスマート水道メーターを設置し高齢者の水道利用状況をリアルタイムでモニタリングしている。12時間以内の水道使用量が0・01立方メートル以下になると、街道弁事処の「一網統管」システムがアラートを受信し、同時に居住区に通知する。通知を受けた居住区のボランティアは、直ちに該当の高齢者宅を訪問し、様子を確認する。

 スマート水道メーターやスマートドアセンサー、煙感知器、赤外線感知器といった機器が現在、上海の多くの一人暮らし高齢者の新しい見守り役となっている。「24時間のドア開閉回数が1回未満」「煙霧警報器の作動」「24時間赤外線感知器による高齢者の活動形跡未検知」など、スマート端末から得られるデータは、緊急時にしばしば大きな役割を果たしている。

 上海市衛生健康委員会によると、2019年12月31日時点の上海戸籍を持つ60歳以上の高齢者人口は518万1200人で、上海戸籍を持つ総人口の35・2%を占め、うち一人暮らし高齢者は31万7400人となっている。一人暮らしの高齢者介護という課題を解決するため、テクノロジーは重要な手段の一つとなる。

 同街道弁事処共産党工作委員会の戴濤(Dai Tao)書記は、管轄区内の高齢者人口の割合は40%に達し、上海で進展する高齢化の縮図となっていると述べ、高齢者介護についての知恵を積極的に模索して現実的な問題を解決し、高齢者にテクノロジーの進化による恩恵を享受してもらいたいとした。

 戴書記はまた「将来的には水道使用量の下限に注意するだけでなく、上限も視野に入れ、ひとたび使用量が増加または長時間水道水を使い続けているという状況を感知した場合にも、アラートを発し、ボランティアが様子を見に行けるようにしたい」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News