【12月12日 AFP】世界保健機関(WHO)は11日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策を怠れば、楽しいクリスマスが悲しい事態を引き起こす恐れがあると警鐘を鳴らした。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は、コロナ流行による死者数が急増していると指摘し、休暇の計画は慎重に検討するよう強く求めた。

 テドロス氏は記者会見で、「休暇シーズンはリラックスし、浮かれ騒ぐ時期だが、正しい予防策を取らなければその祝祭もあっという間に悲しみへと変わってしまう恐れがある」と指摘。

「これからの数週間、休暇の準備を進める際には、どうか自分の計画を慎重に考えてください。感染者の多い地域に住む人は、自分や他人の安全を守るためにあらゆる対策を講じてください」とテドロス氏は述べ、「それが、あなたが与えることのできる最高の贈り物になるかもしれない。健康という贈り物だ」と語った。

 テドロス氏によると、コロナ感染による世界の死者数は、過去6週間で60%増加している。

 WHOの新型コロナウイルス担当技術責任者、マリア・バンケルコフ(Maria Van Kerkhove)氏は、週ごとに見た直近6週間の死者数の増加率は、WHOの欧州地域で100%近く、南北米地域で54%、アフリカで50%に上ると説明し、「ウイルスは今も拡大している。世界の大部分が今も危険な状況だ」と述べた。(c)AFP/Robin MILLARD