【12月12日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するアルファロメオ(Alfa Romeo Racing)のキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)は11日、今季最終第17戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2020)のフリー走行でマシンから出火するアクシデントに見舞われたが、冷静に車から脱出して消火作業を手伝うなど、有名な「アイスマン」のニックネームにふさわしい振る舞いをした。

 ヤス・マリーナ・サーキット(Yas Marina Circuit)でのフリー走行でライコネンは、古いユニットで寿命が近づいていたフェラーリ(Ferrari)製のエンジンが不具合を起こし、マシン後方から出火するアクシデントに遭遇した。脱出の際にはコックピットの無線ケーブルが抜けずに強く引っ張り続ける必要があったものの、持ち前の落ち着きを乱されることはなかった。

 ライコネンはロータス(Lotus F1 Team)時代の有名なエピソードとして、優勝を飾った2012年のアブダビGPのレース終盤に、チームに向かって「放っておいてくれ、自分がやることは分かっている」と言い放ったことがある。

 今回のアクシデントでは停止したマシンの中で無線ケーブルと格闘していた中で、アルファロメオのスタッフから「かなり大きな出火だ。すぐにそこから逃げろ」と急いで脱出するように促されていた。それでも、F1歴代1位の通算328戦に出場している41歳のベテランは冷静で、「何も恐ろしくはなかった」と話している。

「マシンが燃えてしまい、火を消そうとして全部めちゃくちゃになったのは残念だ。そういうことはある」「損傷部分は車体だけだといいが、これから調べていく。スタッフの仕事が少しばかり増えたのは確かだ」

 F1では先月29日の第15戦バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2020)で、ハース(Haas F1 Team)のロマン・グロージャン(Romain Grosjean)がクラッシュして炎上する事故が起きたばかり。AFPに対して「死を感じた」と明かした同選手は、今季残りの2レースを欠場することになった。(c)AFP