【12月12日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で通算4度の年間優勝を達成しているセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)は、13日の今季最終戦では笑顔でフェラーリ(Ferrari)に別れを告げたいとしながらも、同チームでの6年間は失敗に終わったとの認識を示した。

 33歳のドイツ人ドライバーは、2015年に加入したフェラーリで計14勝を記録したものの、あくまでも目標は通算5度目のタイトル獲得だったと認め、イタリアの名門で過ごした時間について率直かつ現実的な評価を下した。

 フェラーリでの優勝回数は、通算7度の総合優勝を誇るミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏の72勝と、ニキ・ラウダ(Niki Lauda)氏の15勝に次いで歴代3位のベッテルだが、同チームにおけるタイトル獲得者として自身のアイドルであるシューマッハ氏に比肩する成績を残すのが目標だったという。

 ベッテルは報道陣に対して、「それ(フェラーリでの優勝回数)がどうであろうと何も変わらない。われわれは失敗した」「選手権制覇を目指していて、それを成し遂げられなかった」「われわれはこれまでに見た中で最強とも言えるほど強いチームとドライバーのコンビネーションと向かい合ったが、目標はそれを上回ることだった。その点については不首尾に終わった」と語った。

「その原因はたくさんあるが、大局的に見れば、アンフェアだったのではなく単なる事実だ。それを大声で言うのに何の不都合もない」

 来季からは、アストンマーティン(Aston Martin F1)として生まれ変わるレーシングポイント(Racing Point)に加入するベッテルは、フェラーリでの経験から学んだと確信しており、「何事にも起きたことには理由がある。自分にとって大事なのは、そこから確実に学ぶことであり、個人的には成長できたと思っている」と強調した。

「全体的には、数年前と比べてはるかに落ち着いているし、今はより良い場所にいる。しかし、いつも容易で単純でなかったのは確かだ」 (c)AFP