【12月11日 AFP】国際自然保護連合(IUCN)は10日、絶滅危惧種をまとめた「レッドリスト(Red List)」を更新し、中米に生息するカエル3種など、31種の生物について新たに「絶滅(EX)」を宣言した。特にカエルは、気候変動により真菌感染の拡大が加速しており、今後さらに多くの種が絶滅する恐れが高いと指摘している。

 最新版レッドリストは、ヨーロッパバイソンの個体数回復など、複数の種で前向きな保全成果が出たと評価した上で、世界的に絶滅種が増加している点に懸念を示した。

 新たに「絶滅」カテゴリーに入ったのは、計31種。この中には、フィリピンのラナオ湖(Lake Lanao)固有の淡水魚15種が含まれている。ラナオ湖には17種の固有淡水魚が生息していたが、残る2種も「深刻な危機(CR)・絶滅した可能性」に分類された。主要な原因は、約50年前に湖に持ち込まれた外来種の肉食魚だとしている。

 同じく「深刻な危機・絶滅した可能性」に分類された中南米に生息するカエル22種は、真菌のツボカビが引き起こすカエルツボカビ症が主要因となり、個体数が大幅に減少したとしている。

 また、アマゾン川(Amazon River)に生息するコビトイルカが「危機(EN)」に分類され、これにより世界の淡水イルカ全種が絶滅危惧種となった。これには中国の長江(Yangtze River)に生息し、すでに絶滅した恐れが指摘されているヨウスコウカワイルカも含まれている。(c)AFP/Nina LARSON