【12月13日 Xinhua News】中国科学院昆明動物研究所の研究者が、ミャンマー南部のタニンダーリで淡水カニ「デマニエッタ属(Demanietta)」の新種2種を発見し、それぞれ「Demanietta liui」「Demanietta lenya」と命名した。研究成果はこのほど、国際的学術誌「Journal of Crustacean Biology」に掲載された。

 論文責任著者で同研究所研究員の陳小勇(Chen Xiaoyong)氏は、ミャンマーには世界的に重要な生物多様性があり、その保護と研究に関心が寄せられていると説明。研究は以前から行われていたが、重要な淡水産底生大型無脊椎動物である淡水カニ類の詳細な基礎調査が不足していたと述べた。現在は淡水カニ約15属の記録があり、その中でタニンダーリ山脈が最も多様性がある地域になっている。

 同研究所水生生物多様性研究チームの研究員は2014年から、中国科学院東南アジア生物多様性研究センター、ミャンマー資源・環境保護省、ミャンマー林業研究所の協力を得て、同国で水生生物調査を複数回実施している。昨年4月には南京師範大学生命科学学院を招き、ミャンマー南部で淡水生物多様性の合同調査を行い、タニンダーリ国家公園とレンヤ国家公園で、形の違いが顕著な淡水カニ2種類を採集した。

 デマニエッタ属の淡水カニはタニンダーリで最も多様性があり、研究員が採集した2種と既存の同属種の形態を詳しく比較し、分子系統樹と結び付けた結果、いずれも同属の新種であることが確認された。2種の分布地域は、それぞれ上記2カ所の国家公園に限られており、狭域分布種と考えられる。(c)Xinhua News/AFPBB News