【12月11日 People’s Daily】今日、中国の重慶市(Chongqing)で造られた小康自動車(DFSK)がどうやってドイツやインドネシアの町々まで販売できたのか、ベトナムの魚やインドの唐辛子がどうやって重慶の人々の食卓にのぼったのか。一方は内陸部の山都市、一方は千里も遠く離れる外国。両地の間では鉄道や貨物船、自動車と飛行機がリレーし、互いに補い合っている。重慶からは東西南北に物流ルートが延び、陸水空の各種輸送方式を併用することで流動的な物流が形成され、その具体的な応用も成熟しつつある。

 重慶の鉄道コンテナターミナルから「陸海新ルート」便の列車が出発し、コンテナ内の自動車部品は広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)北部湾に着いた後、そのまま直接に海上貨物船へと載せられ、ジャカルタへと運ばれる。重慶小康工業集団のインドネシア工場で商品を製造し、現地でも販売する。「水上輸送より10日節約できますし、コストもあまり変わりません」と、輸入部門を担当する万治軍(Wan Zhijun)氏は満面の笑みで話した。今年、陸海新ルートで輸出された貨物の価値は4億元(約60億円)を超えたという。

 コストパフォーマンスの高さも、併用式運送の良さの一つだ。大量の農産物や工業製品を運ぶ場合、水運は価格こそ安いが遅く、全部鉄道を使うなら費用が高い。鉄道と海運の併用こそが最善手なのだ。

「陸海新ルートの最適化は重慶から長江を下っていく伝統的な物流を補うものです。10月31日までに、陸海新ルート鉄道海運便は累計2562便運行し、海外貿易貨物の累計額は94億6000万元(約1500億円)に達しました。国内貨物の累計額は68億5000万元(約1090億円)となりました」と、重慶市政府の口岸物流事務室の胡紅兵(Hu Hongbing)副主任は語る。

 陸海新ルートの連合運送は、中国西部地域から海に出る一大ルートを確立し、重慶や中国西南地域とASEAN地域との貿易交流を加速させている。2019年、ASEAN地域との輸出入はそれぞれ重慶市43.2%、広西チワン族自治区13.3%、四川省(Sichuan)19.7%、甘粛省(Gansu)47.2%増となり、10月までの中国―ASEAN地域の貿易総額は3億7900万元(約60億円)、前年比7%増であった。

「併用式運送と従来型の運送の違いは、全過程で貨物を地面に降ろさず、コンテナを変えないことで、貨物の破損率や損耗率、環境への影響を最大限減らすことができることです。顧客の『ドアトゥードア』で荷物を運んでほしいという需要を満たしています」と、重慶市政府口岸物流事務室の併用式運送責任者の桂明華(Gui Minghua)氏は語る。

 併用式運送は絶え間なく深化しており、山や川に囲まれた内陸地である重慶が国際物流ハブとなりつつある。「目下、中国東部地域や南部地域の多くの省と重慶は連動しており、鉄道・道路・水路などの輸送方式を通して貨物を重慶に集結させ、中央アジアやヨーロッパ行きの中国欧州貨物鉄道に積み込みます。荷物は電化製品・機械部品・紡績品などです。帰りの便では、貨物は重慶を経由して鉄道や水路を通り、中国全土へ運ばれます。オーストラリアまで運ばれることもあります」と、胡紅兵氏は説明する。

 また今年中には、重慶に中国欧州貨物鉄道(重慶新疆―ヨーロッパ)併用鉄道連合運営センターが建設される予定。中国欧州貨物鉄道の国際ロジスティックビッグデータのプラットフォームも立ち上げられる予定だという。(c)People’s Daily/AFPBB News