【12月13日 CNS】米経済誌「フォーチュン(Fortune)」が1日に発表した「2020年に中国で最も影響力のあるビジネスウーマン」のランキングで、エアコントップメーカーの格力電器(Gree Electric)会長兼社長の董明珠(Dong Mingzhu)氏、自動車大手の長城汽車(Great Wall Motor)社長の王鳳英(Wang Fengying)氏、外食大手のヤム・チャイナ(Yum China)CEOの屈翠容(Joey Chui Yung Wat)氏がトップ3位にランクインした。

 董明珠氏は一介のセールスウーマンから出世を重ねてトップに上り詰め、「鉄の女」とも呼ばれる経営者。新型コロナウイルスが拡大し中国各地の市民が自宅待機を強いられた期間、格力電器は3万店の系列店を閉鎖する大打撃を受けた。逆風の中、董氏は自分が長年かけて築き上げた販売モデルを改革した。自ら多くの都市を歩いて現場を回り、同時にインターネットのライブ配信でも商品を販売。9月までにオンライン販売で1億7500万ドル(約181億9125万円)相当の製品を売った。

 董氏はまた、空調事業に加えて新規事業を展開してIoT(モノのインターネット)を加速。半導体、機器製造、バッテリー事業も引き続き力を入れている。

 中国の自動車産業は今年第1四半期の売り上げは新型コロナの影響を受けたが、その後はV字回復。その復活には王鳳英社長率いる長城汽車が大きく貢献した。中国最大のSUVおよびピックアップトラックメーカーの長城汽車は、今年に入ってからの総売上高は6%減少しているが、9月には同社の全ブランドの総売上高が18%増加した。

 王鳳英社長は、長城汽車をエコロジーブランド化する戦略を打ち出しており、今後数年間で電気自動車、スマートカー、モバイルテクノロジーなどの研究開発に45億ドル(約4678億円)を投入すると表明。2023年にはハイテク水素燃料電池自動車を販売する計画だ。

 ヤム・チャイナは中国でケンタッキー・フライド・チキン(KFC)やピザハット(Pizza Hut)、タコベル(Taco Bell)を展開する中国最大規模のレストラン企業。屈翠容氏はコロナ禍において、ケータリングや家庭用食材の配達に力を入れる改革を実行し、危機を乗り越えた。ヤム・チャイナは今年9月に香港証券取引所に上場。ニューヨーク証券取引所との重複上場で、1株あたり412香港ドル(約5525円)の価格で最高発行価格の記録を樹立した。

 ヤム・チャイナは新型コロナの感染が拡大期間中、中国全土の1450の病院で救急隊員に無料で食事を提供するなどの支援活動を展開。ヤム・チャイナグループ従業員の家族の医療支援をする家族医療基金も立ち上げている。(c)CNS/JCM/AFPBB News