【12月11日 AFP】米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は10日、来年に予定されている東京五輪で、人種的・社会的正義を支持するための「敬意ある」デモを行った同国アスリートに処分は科さないと発表した。

 今回の決定は、人種的・社会的正義に関するUSOPCの評議会による勧告を受けてのもので、USOPCは国際オリンピック委員会(IOC)に対し、五輪選手による平和的デモや抗議を禁止事項から除外するよう求めた。

 USOPCのスザンヌ・ライオンズ(Susanne Lyons)会長は、発表文の中で「チームUSAのアスリートは、米国における多くの競技やリーグのアスリート、チームと協調し、国際的な利益を図るけん引役になれると確信している。また、われわれのスポーツコミュニティーの中で、アスリートの敬意ある表現の機会を推進し、その道を広げることを提唱でき誇りに思う」と記した。

「われわれはアスリートの声に力を与え、五輪とパラリンピックの価値を示すことに継続的に尽力しており、チームUSAのアスリートのためにこの重要な取り組みを支持することは次なるステップとなる」

「スポーツの団結力を最大限に生かせるよう、世界中のアスリートや後援者、パートナーと提携を深めることを楽しみにしている」

 5月に黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが米警官の拘束下で死亡したことを受け、スポーツ界で「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」運動が広がって以来、五輪におけるデモの禁止には厳しい目が向けられている。

 IOCの規則では、表彰台や競技場ではいかなるデモも禁止されており、USOPCはIOCと国際パラリンピック委員会(IPC)に対して規則の改正を求めている。(c)AFP