【12月11日 AFP】ヨルダン川西岸(West Bank)ベツレヘム近郊にある、ヘロデ王(Herod the Great)の要塞(ようさい)宮殿「ヘロディウム(Herodium)」遺跡の未公開部分が13日に開放される。イスラエル当局が10日、発表した。

 イスラエル自然・公園局によると、今回公開されるものには、アーチ型の階段やホワイエ、劇場などが含まれる。ヘロデ王の埋葬地でもあるヘロディウムは、人気の観光地だ。

 ヘロディウムは、紀元前37年にローマ帝国により「ユダヤ王」に任命されたヘロデ王によって築かれた。ヘロデ王をめぐっては、その残忍さとこの壮大なヘロディウムが最もよく知られている。

 入り口がエルサレムに向くこの宮殿は、ヘロデ王のお気に入りだった。考古学者によると、晩年、丘の上にある宮殿を自身の埋葬地とすることを決めたのだという。

 発掘調査を担当したエルサレム・ヘブライ大学(Hebrew University of Jerusalem)の考古学者ロイ・ポラット(Roi Porat)氏は、ヘロデ王が自分の名前を付けた建物はこの宮殿だけだと話す。

 ただ、ヘロデ王は、ここに埋葬されるだけでは満足できず、自らの埋葬地が宮殿よりも壮大になることを求めた。

 自然・公園局のエラン・クルゼル(Eran Kruzel)氏は、「そのために宮殿ごと土で覆ってしまったのです」と話した。(c)AFP/Jonah Mandel