【12月11日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)次期米大統領は、新政権の要職の人事を発表し、ホワイトハウス(White House)国民政策委員会(Domestic Policy Council)委員長にスーザン・ライス(Susan Rice)氏を、退役軍人省長官にデニス・マクドノー(Denis McDonough)氏の起用を発表した。政権移行チームが10日、明らかにした。ライス氏はバイデン氏が副大統領を務めたバラク・オバマ(Barack Obama)前政権時に大統領補佐官(国家安全保障担当)、マクドノー氏は首席補佐官をそれぞれ務めていた。

 ライス氏(56)は当初、国務長官候補とされていたが、2012年のリビア・ベンガジ(Benghazi)で発生した米領事館襲撃事件での対応をめぐり、ライス氏の指名には上院での承認時に共和党から激しい反発が出ることが予想され、国務長官にはバイデン氏側近のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)氏が起用された。上院での承認を必要としない国民政策会議委員長への就任で、ライス氏はバイデン政権の中枢に加わるが、同氏の外交政策での経験を考えると予想外の動きとなる。

 最近不祥事に見舞われている退役軍人省の長官に指名されたマクドノー氏は、オバマ政権時に複数の役職に就いた経験を持つ。

 農務長官には、オバマ政権の2期を通じ農務長官を務めたトム・ビルサック(Tom Vilsack)氏が再び指名された。米通商代表部(USTR)代表にはキャサリン・タイ(Katherine Tai)氏、住宅都市開発省長官にはマルシア・ファッジ(Marcia Fudge)議員が起用される。(c)AFP