【12月12日 Xinhua News】国際かんがい排水委員会(ICID)の国際執行理事会が8日、オンラインで開かれ、中国が登録申請していた福建省(Fujian)の「天宝陂」など4施設が「世界かんがい施設遺産」に登録された。

 天宝陂は同省福清市を流れる竜江の中流区間にあり、1300年以上前の唐代の天宝年間に建設が始められたことからその名が付いた。塩水を排して淡水を蓄えるかんがい施設としては現存する中で国内最古とされる。天宝陂の完成により、一帯では干ばつや洪水などにかかわらず農作物の収穫量が安定して確保できるようになり、農業の発展や食糧作物の増産、農民の収入増につながった。

 宋代に補修が行われた際には、溶かした鉄で基礎を固める技術を採用。水の流れに対し斜めに配置し、堤体の長さを川幅の3倍にして放流能力を高め、上下の水位差を減らすことで、堤体に加わる水流の衝撃力を緩和した。洪水時の決壊防止やかんがい施設の寿命を延ばす工夫が施されている。建設材料には現地で調達した石や鉄などを使っており、環境への配慮もうかがえる。

 このほか、陝西省(Shaanxi)の竜首渠引洛古灌区、浙江省(Zhejiang)の白沙渓三十六堰、広東省(Guangdong)の桑園囲も同時に登録された。(c)Xinhua News/AFPBB News