【12月10日 AFP】英国は10日、シンガポールと自由貿易協定(FTA)を結んだ。欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット、Brexit)後の貿易協定に関する協議がこう着する中、英国は離脱後に進むべき道筋を模索しており、アジア内に大きな足掛かりを得た形だ。

 今回調印された協定は、EUとシンガポール間の協定とほぼ同じ内容。シンガポール貿易産業相は、この協定で関税が撤廃され、相手国のサービス市場への参入が可能となり、電子機器から医薬品まで多様な分野の非関税障壁が削減されると明かした。

 英国のリズ・トラス(Liz Truss)国際貿易相は、今回の協定調印により、シンガポールが参加している自由貿易協定「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)」への英国の参加にも一歩近づくことになると述べた。

 CPTPPは、日、豪、加、チリ、メキシコ、ベトナムなど環太平洋の11か国が参加している。この前身の協定については米国も支持していたが、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が離脱を決めた。

 シンガポール側は、来年初頭に英国がCPTPPへの参加を申し入れた場合、支持する方針を示した。

 英国は日本と、ブレグジット後初となる主要な貿易協定を10月に結んでいるが、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国との協定締結はこれが初めてとなった。(c)AFP/Martin Abbugao