【12月10日 AFP】中国政府は10日、オーストラリア産ワインが豪政府の補助金を受けて安く輸出され、中国企業に損害を与えているとして、追加関税を課すと発表した。豪中関係は、新型コロナウイルスの発生源をめぐって豪政府が中国側に調査を要求したことをきっかけに、悪化の一途をたどっている。

 中国は先月、豪州産ワインの輸入に対して反ダンピング保証金の徴収を開始したばかり。6.3~6.4%の追加関税率は11日から、この保証金に上乗せして適用される。

 中国商務省は追加関税の決定について、8月下旬に実施を発表した調査の結果に基づくものだと説明。「調査当局の予備報告で、豪州産の輸入ワインは補助金を受けており、(中国)国内のワイン業界が著しい損害を被っていると認定された」としている。

 中国商務省はかねて、豪ワイン製造業者が政府の補助金のおかげで中国企業に対する優位性を保持していると苦情を申し立てていた。

 一方、サイモン・バーミンガム(Simon Birmingham)豪貿易・観光・投資相は、中国の反ダンピング措置を「はなはだ不公平で根拠がなく、不当だ」と非難している。

 今年に入って豪中関係は一気に悪化。中国政府は、中国の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ、Huawei)」の第5世代移動通信システム(5G)の排除など、豪政策に対する「抗議リスト」を作成したほか、5月には豪食肉大手4社に対して輸入停止の措置をとり、大麦の輸入に追加関税を課した。(c)AFP