【12月10日 AFP】スペイン・カタルーニャ(Catalonia)州のバルセロナ動物園(Barcelona Zoo)は、同園で先月、ライオン4頭が新型コロナウイルスに感染していたことを発表した。症状は軽く、その後回復したという。

 発表によると、同園の飼育係2人が新型ウイルス検査で陽性となったのと同時期に、16歳の雌3頭と4歳の雄1頭が「軽い呼吸器の症状」を発症。抗原検査とPCR検査により4頭の感染が確認された。

 同園は直ちに抗炎症薬を4頭に投与し、インフルエンザにかかったときと似た綿密な観察を開始。4頭の容体は快方に向かった。同園は「呼吸困難などの呼吸器系の問題はまったく見られず、せきとくしゃみを除くすべての症状が2週間以内に消えた」と説明している。

 飼育係らは感染を防ぐため、高性能のFFP3規格の防塵(ぼうじん)マスクやプレキシガラスのフェースシールド、防護靴を着用し、綱につながれた状態で飼育場に下りて業務に当たった。

 同園はさらに、「大型ネコ科動物で唯一の新型コロナウイルス感染例が確認されたニューヨーク・ブロンクス動物園(Bronx Zoo)の獣医部門などの国際的な専門家ら」に連絡したと説明している。ブロンクス動物園では4月、4歳の雌のトラが新型ウイルス検査で陽性となり、当時無症状だった飼育員から感染したとみられている。

 新型コロナウイルスの流行が始まって以来、犬や猫などさまざまな動物が新型コロナウイルス検査で陽性反応を示してきたが、動物から人への感染が確認されたのはミンクのみ。

 映像は8月に撮影されたバルセロナ動物園のライオンの資料映像、同園提供。(c)AFP