【12月9日 CGTN Japanese】四川省(Sichuan)カンゼ・チベット族自治州の理塘県(Litang)は、今年2月に貧困県から抜け出したばかりの高原の町です。ここ最近、地元出身のチベット族の青年・丁真(ディン・ジェン、Dingzhen)さんが出演した観光PR動画がSNSなどで反響を呼び、理塘県には観光地としての注目が集まっています。

 チベット語で「銅の鏡のように平坦な草原」を意味する理塘は、海抜4000メートルの場所にあることから「天空の街」とも呼ばれています。四川省の省都・成都市(Chengdu)からは650キロ離れた位置にあり、7万3000人が住んでいます。

 そんな理塘県の長年の悩みは、観光地として有名なお隣の稲城県(Daocheng)などと比べると知名度に劣っていることでした。

 その状況を一変させたのが、この短い一本の動画です。理塘県で生まれ育った20歳の青年、丁真さんが故郷の大自然をバックに、カメラに向かってほほ笑みかけるこの映像がSNSで配信されると、再生回数は数億回の単位に。これに伴って、理塘県の注目度もぐんぐん上昇しています。オンライン旅行サイト「シートリップ(Ctrip)」によりますと、11月20日からの10日間に同社のサイトで「理塘」のワードが検索された回数は普段の6倍に増えました。

 地元観光当局は、この「丁真ブーム」を地元観光業の活性化につなげようと、丁真さんを理塘観光大使に任命しました。丁真さんは地元の文化観光会社の正社員になって、現在は地元博物館の学芸員を目指して猛勉強をしているところだそうです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News