【12月10日 Xinhua News】日本の森記念財団都市戦略研究所は8日、2020年の世界の都市総合力ランキング(GPCI)を発表した。昨年30位だった中国の上海が一躍10位に浮上し、初のトップ10入りを果たした。北京も24位から15位に順位を上げた。上位5都市は昨年同様ロンドン、ニューヨーク、東京、パリ、シンガポールで、香港も9位を維持した。

 調査は2008年から毎年実施されており、今年は主要48都市を対象に「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」の6分野70指標を点数化し、順位づけした。

 上海は研究・開発分野を除く5分野でスコアを大きく伸ばしたことが、総合順位の躍進につながった。経済分野では、コワーキング(共用オフィス)施設数や固定ブロードバンドの通信速度を評価する「ワークプレイス充実度」や「従業者数」「域内総生産(GDP)」などで高スコアを獲得。同分野で11位に入った。

 文化・交流分野16指標の中では「観光地の充実度」「食事の魅力」など5指標で順位を上げた。居住分野では労働時間帯の選択や在宅勤務のしやすさなどを評価する「働き方の柔軟性」でトップとなり、環境分野で新たに設けられた「都市空間の清潔さ」でも4位に入った。

 交通分野では「国際貨物流通規模」が1位、「国内・国際線旅客数」「発着回数」「タクシー・自転車での移動のしやすさ」が4位といずれも上位にランクインし、同分野での順位を昨年4位から3位に上げた。

 同財団の市川博雄理事は上海躍進の要因について、「ワークプレイス充実度」での高評価を指摘。ポストコロナ時代では多様な働き方への対応力、感染症など社会的リスクへの対応力と強靱(きょうじん)性、回復力が、都市間競争力に影響するとの見方を示した。(橋口いずみ)(c)Xinhua News/AFPBB News