【12月9日 AFP】2016年以降2回売却されたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が幼少期を過ごしたニューヨークの家が、再び売りに出されている。

 だが、物件を取り扱う不動産会社は今回、トランプ氏のファンに対して、300万ドル(約3億1200万円)という異例の高値で家を買い、トランプ氏にプレゼントしようと訴えている。

 パラマウント不動産(Paramount Realty)は8日、クラウドファンディングのプラットフォーム「ゴー・ファンド・ミー(GoFundMe)」で、募金活動を開始。ファンに目標額300万ドルを達成するための支援を呼び掛けた。

 目標額に達した場合、家は退任予定のトランプ氏に餞別(せんべつ)として贈られるという。

 家はニューヨークのクイーンズ(Queens)地区の高級住宅街ジャマイカ・エステーツ(Jamaica Estates)にあり、トランプ氏はここで4歳まで暮らした後、近所のより高額な家に引っ越した。

 パラマウント不動産は最近、この物件を通常の競売形式で300万ドルの値で販売しようとしたが、買い手がつかなかった。

 同社のミシャ・ハガニ(Misha Haghani)氏はAFPに対し、「1人の裕福な買い手が300万ドル出すよりも、トランプ氏が大好きな人100万人が1人3ドル(約310円)ずつ出す可能性の方が高い」と述べた。

 同社の基準に基づくと、寝室5部屋、バスルーム四つを備えたチューダー様式を模したこの家の価値はわずか100万ドル(約1億400万円)超だという。だが、「目には見えない価値」がこの家を「唯一無二」のものにしていると、ハガニ氏は主張している。

 家は、トランプ氏の就任式直後の2017年3月に214万ドル(約2億2300万円)で売却された。

 ハガニ氏は、トランプ氏は来年1月に退任予定であり、この家を買うことは「トランプ氏が大好きな人たちにとっては、同氏に送る感謝のしるしや餞別のようなものだ」と説明している。

 ハガニ氏は、今回のクラウドファンディングについて、トランプ氏に事前に話してはいないと述べている。

 ゴー・ファンド・ミーの募集ページには、もしトランプ氏が家の受け取りを辞退した場合、家は同氏が選ぶ慈善事業に寄付されると書かれている。また、同氏が慈善事業を指定しなかった場合、「私たちがトランプ氏に代わって決める」とハガニ氏は話している。

 トランプ氏のファンは果たしてこれに乗ってくるだろうか。8日の募集開始直後には、1人から45ドル(約4700円)が寄せられていた。(c)AFP