【12月9日 AFP】8日に行われたサッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2020-21)のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)対イスタンブール・バシャクシェヒル(Istanbul Basaksehir)の試合では、審判による人種差別発言があったとされ、両チームの選手が団結してピッチを後にした。

 この試合では、ルーマニア出身の第4審判のセバスチャン・コルテスク(Sebastian Coltescu)氏が、バシャクシェヒルのアシスタントコーチを務める元カメルーン代表のピエール・ウェボ(Pierre Webo)氏に対して「黒人」を意味するルーマニア語を使ったとみられ、その後に長い言い争いが起こった。

 結局試合は両チーム0-0の14分の時点で中断となり、欧州サッカー連盟(UEFA)は、9日にその時点から別の審判団のもとで試合を再開することを決め、事件の調査を行うことも発表している。

 今年5月、米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で黒人男性のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが命を落とし、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」運動が始まって以来、多くのスポーツ選手が人種差別を強く非難する姿勢を示している。

 PSGのキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)は「人種差別にノーを言おう」とツイッター(Twitter)に投稿し、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)も「Black Lives Matter」と書き込んだ。両選手はピッチ脇での激しい言い争いの中でもとりわけ目立った存在だった。

 バシャクシェヒルのジウリアーノ(Giuliano Victor de Paula)は母国ブラジルメディアに対して「(発言は)とても明確だった。こちらのコーチも含めた多くの人が聞いている。失礼な言葉だった」と話している。

「チームとして、グループとして許せないものだったから、抗議することを決めた。人種差別は終わらせなくてはならない」 (c)AFP