【12月9日 AFP】(写真追加)北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-Jong)党第1副部長は8日付の談話で、国内では新型コロナウイルスの感染者は一人も出ていないという北朝鮮の主張をめぐり、韓国外相が「妄言」を吐いたと非難した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた。

 北朝鮮は今年1月、新型ウイルスの流入を阻止するため、国境を封鎖。国内で感染者は一人も出ていないと主張し続けている。しかし、初めて新型ウイルスの感染者が確認された隣国・中国が主要な貿易相手国・支援国であることから、専門家の間では疑問視する声が上がっていた。

 韓国の康京和(カン・ギョンファ、Kang Kyung-wha)外相は5日、バーレーンで行われた国際会議で、北朝鮮で一人も感染者が出ていないというのは「信じ難い」とした上で、韓国側はコロナ対策の支援を申し出たが、反応がないと述べた。「(新型ウイルスが)北朝鮮をより北朝鮮らしくしている」

 KCNAによると、与正氏は康氏の発言を「妄言」と呼び、「凍り付いた北南関係をさらに冷やそうとしている」と非難した。「われわれは彼女の言葉を決して忘れない。彼女はこの代償を払う羽目になるかもしれない」

 与正氏の談話発表は、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下で米朝非核化協議を主導してきたスティーブン・ビーガン(Stephen Biegun)北朝鮮担当特別代表の訪韓に重なった。(c)AFP