【12月9日 AFP】米カリフォルニア州ロサンゼルス(Los Angeles)郡ではヒスパニック系の人たちの新型コロナウイルス感染リスクが、白人の約2倍となっていることが、最新の公式統計で明らかになった。社会にとって不可欠な、対面で行う仕事に就き、密集して暮らしているヒスパニック系の人たちは新型ウイルスにさらされる機会が多いためだ。

 比較のため年齢で調整した郡の健康データによると、11月半ばまでの10万人当たりの1日の新規感染者は、ヒスパニック系274人に対し、白人125人だった。

 国勢調査のデータによると、米国で最も人口が多いロサンゼルス郡は人口約1000万人のうち48%超がヒスパニック系で、非ヒスパニック系の白人は26%だった。新型ウイルス感染リスクの大きな差は、ロサンゼルス郡での流行の深刻さを浮き彫りにしている。

 カリフォルニア州は新型ウイルス流行の第3波に見舞われており、6日にはロサンゼルス郡だけで1万人超の新規感染者が記録されるなど、感染者は記録的な数に上っている。集中治療室(ICU)の病床不足が深刻化し、自宅待機命令が出された。

 ヒスパニック系の人たちは、社会にとって不可欠で、リモートワークが不可能な食料品店、工場、農業などで働いていることが多いため、概して新型ウイルスにさらされやすいと専門家らは指摘する。

 ロサンゼルス郡では、人口密度が高いため新型ウイルスの感染が広がりやすい労働者階級の地区に暮らすヒスパニック系の人たちの割合は突出している。

 先月末時点の10万人当たりの死者数も、ヒスパニック系は3人で、黒人の1.7人、アジア系の1.2人、白人の0.91人と比べて著しく多かった。(c)AFP