【12月9日 AFP】スリランカで9日、聖人を自称する男性が新型コロナウイルスの感染を予防し治療薬にもなるとうたうシロップを求め、約1万2000人が集会禁止の規制を破り中部の小さな村に集まった。

 スリランカでは今年10月から新型ウイルスの感染者数が8倍以上に急増しており、累計感染者数は2万8500人余り、死者は142人に上る。

 大工のダンミカ・バンダラ(Dhammika Bandara)さんは先週、国営テレビに出演し、神に新型ウイルス治療薬を示されたと主張した。

 パウィトゥラ・ワンニアラッチ(Pavithra Wanniarachchi)保健・伝統医療相がバンダラさんのシロップを飲み物に混ぜて飲む写真が地元紙に掲載され、バンダラさんの主張の拡散に一役買った。

 報道によると、バンダラさんが無料サンプルの配布を発表したことから、主要都市コロンボ(Colombo)の北東約85キロに位置するバンダラさんの住む村に約1万2000人が押しかけた。

 現場の映像では、警察官が集まった人々に対しソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を徹底させようとするも、制御不能となっていた。拘束された人や罰金刑を受けた人はいないという。(c)AFP