【12月9日 AFP】(更新)米最高裁は8日、米大統領選のペンシルベニア州での投票結果を認定させないよう求めていたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領側の訴えを退けた。選挙結果を覆そうとするトランプ氏の試みは、またもや頓挫した。

 トランプ氏が指名した3人を含む9人の最高裁判事は判断について詳しい説明はしていない。反対意見を表明した最高裁判事はいなかった。

 トランプ氏側がジョー・バイデン(Joe Biden)氏に敗れた選挙結果に根拠を示すことなく異議を唱え始めて以来、米最高裁が判断を下すのは今回が選挙後初めて。

 11月3日の大統領選から1か月以上たったが、トランプ氏はいまだに敗北を認めず、選挙で不正があったという根拠のない主張を続けている。トランプ氏側は複数の激戦州で数十件の訴訟を起こしているが、そのほとんどは退けられている。

 そのような訴訟の一つとして、共和党のマイク・ケリー(Mike Kelly)下院議員が、激戦州の一つ、ペンシルベニア州の郵便投票の合法性に疑いがあるとして訴えを起こしていた。

 ペンシルベニア州は4年前の大統領選ではトランプ氏が勝利したが、今年はバイデン氏が勝利している。

 ペンシルベニア州最高裁で訴えを退けられたケリー氏らは米最高裁に上告。裁判で弁論が終わるまで大統領選のすべての作業を止めるよう求めていた。

 しかし米最高裁は上告を退けてこの裁判を終わらせ、大統領選後の訴訟に関わらないことをにおわせた。トランプ氏は、保守系判事が多数を占める最高裁が自身に有利な判断をすることを期待していた。(c)AFP