【12月9日 AFP】インド南部アンドラプラデシュ(Andhra Pradesh)州エルール(Eluru)で原因不明の病気が流行しており、これまでに男性1人が死亡し、555人が治療を受けた。病院関係者によると、一部の患者の血液からは、高濃度の鉛とニッケルが検出されたという。

 5日に最初の患者が確認されたことを受けて、インド政府は調査のため、現地に専門家を派遣。死亡した男性は、けいれん、嘔吐(おうと)、慢性痛などの症状を示していた。

 病院職員らによると、8日に約80人が治療を受けるなど、これまでに555人が来院した。ある病院は、この病気の患者用に100床を確保しているが、患者の大半は自宅に戻った。

 エルールの公立病院のA・V・モハン(A.V. Mohan)院長によると、患者10人の血液から高濃度の鉛とニッケルが検出されたが、サンプル数が少なすぎるため、人口20万人のエルールで流行しているこの病気の原因だという確証は得られていないという。

 州当局は、鉛とニッケルの発生源とその拡散経路に関する調査を命じた。

 地区当局者らは、この地域に大規模な化学工場はないと説明した上で、農薬に含まれる化学添加物が関わっている可能性があると指摘していた。

 インドでは新型コロナウイルスも流行しており、感染者数は世界で2番目に多く、まもなく1000万人を超える見通し。そんな中で原因不明の病気がまん延し、アンドラプラデシュ州はますます神経をとがらせている。(c)AFP