【12月9日 AFP】英国のウィリアム王子(Prince William)と妻のキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)が王室専用列車で国内各地を表敬訪問するツアーに出たことで、物議を醸している。新型コロナウイルス対策で移動制限が出されていることから、スコットランドとウェールズの政治家からは冷ややかな声が上がった。

 夫妻は、コロナ禍の中でも人々の暮らしに必要不可欠な仕事に従事する「エッセンシャルワーカー」に感謝の意を表すため、全行程約2000キロにおよぶ表敬ツアーを開始。8日にはウェールズのカーディフに到着した。

 だが、ウェールズのボーン・ゲッチング(Vaughan Gething)保健相は王子夫妻の到着に先立ち、英BBC放送に対して「誰も不要な訪問をしない」ことが望ましいと発言。王子夫妻はウェールズを訪問すべきかと尋ねられると、「特に懸念や関心がある」わけではないとしつつも、人々が移動規制について「混乱した」ことの口実として夫妻の訪問を利用するべきではないと指摘した。

 スコットランド行政府のニコラ・スタージョン(Nicola Sturgeon)首相も、王子夫妻がエディンバラに到着した7日、冷ややかな態度を取っていた。スタージョン氏は、イングランド外への移動制限について王室当局は説明を受けていると指摘。「スコットランドで施行されているすべての制限措置について、王室一家が当然ながら把握していることを、われわれは確認した」と述べた。(c)AFP