【12月8日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)のトト・ヴォルフ(Toto Wolff)チーム代表は、通算7度の年間優勝を誇るルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復して今季最終戦のアブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2020)に出場すべく、時間との闘いを繰り広げていると明らかにした。

 オーストリア出身のヴォルフ氏は、劇的な展開となった6日の第16戦サキールGP(Sakhir Grand Prix 2020)後の記者会見で、ハミルトンの体調は日に日に良くなっていると語った。

 しかし、次戦に出場するには完全に回復して10日に行われるコロナウイルスの検査で陰性と判定されなければならず、結果が陽性であれば、同選手の代役としてサキールGPで卓越したレースを見せたスーパーサブのジョージ・ラッセル(George Russell)が再びシートに座るとも付け加えた。

「ルイスは日々良くなっていて、もし回復してウイルスから完全に解放され、検査で陰性になれば大丈夫だ」「ルイスがどれだけ回復するか見ていく必要があると思う」「それが最も重要で、その点において彼は元気にしているし、少しずつ良くなっていると話しているから大きな前進だ」

「もし検査結果が陰性なら、マシンに乗って素晴らしいレースをしてくれると確信している。しかし、アブダビでの検査で陽性になれば、ジョージがマシンを駆る」

 サキールGPでのラッセルは、ピットストップでのミスやタイヤのパンクに見舞われなければ優勝が確実視されていたほど、メルセデスのマシンで驚くべきパフォーマンスを披露しており、ヴォルフ氏はこれがハミルトンとの新契約の交渉に有利な要因になるかと聞かれると否定した。

「いいや、それは別の話だ」「ルイスは8年間もチームと一緒にやってきて、私たちはこれまで素晴らしい結果を出してきた」「彼はチームの一員で、今回のことが交渉を妨げたり、変えたりするものにはならない」「逆に言えば、週末のレースでジョージがペースをつかめなかった可能性もある。われわれの交渉は、そういったことをはるかに超えるものだ」

 ハミルトンは今季終了後にチームとの契約が満了を迎える。同選手の体調不良で延期された契約交渉は、今月末に再開されるとみられている。(c)AFP