【12月9日 AFP】デンマーク首都コペンハーゲン郊外にある工業地帯の一角にこのほど、欧州最大規模の「垂直農場」が誕生した。

 同国のスタートアップ企業ノルディック・ハーベスト(Nordic Harvest)が、トストルプ(Taastrup)にある床面積7000平方メートルの倉庫に開設したこの垂直農場には、レタスやハーブなどの苗床が、床から天井まで14段積み重ねられている。

 ここには土も太陽光もないが、特殊なLED電球2万個で1日24時間絶え間なく照らされて育てられる野菜は、年15回収穫される予定だ。

 創業者のアンデシュ・リーマン(Anders Riemann)氏は、来年第1四半期に野菜約200トンの収穫を見込んでおり、来年末までに工場がフル稼働すれば、年間約1000トンの生産能力があるとしている。

 地方部の農家は当然ながら、冷ややかな目を向けている。こういった都市農場の供給能力を疑問視するとともに、電力消費量を批判している。

 だがリーマン氏は、自身の農場は環境面でも利点があると主張。「垂直農場の特長として、水と栄養、肥料全てを再利用できる」、「風力発電からの電力のみを使用しているため、カーボンニュートラルだ」と話している。農薬も使用しないという。

 約10年前に考案された垂直農場はアジアや米国で増えており、欧州でも近年徐々に広がり始めている。(c)AFP/Camille BAS-WOHLERT